男子バレーボール日本代表のリベロとして、世界トップレベルの守備力を見せる小川智大選手。
小川選手の言葉には、ミスとの向き合い方、自信のつくり方、競争、挫折、そして「次の1球」へ切り替えるための独特なメンタルが表れています。
この記事では、JVA(日本バレーボール協会)、TBS、Number、Sportivaなどの本人インタビューを確認し、発言した背景とともに小川智大選手の言葉を整理しました。2026年の最新発言も厚く収録しています。
小川智大の名言・心に響く言葉
「バレーだけは、嘘つけないです」
バレーだけは、嘘つけないです。
2024年、パリオリンピック代表落選についてNumberの取材で振り返った際の言葉です。
小川選手は東京大会に続いてパリ大会でもオリンピックのコートに立つことができませんでした。それでもバレーボールは、自分の人生から「なくなったらおしまい」と語っています。
結果が出たときだけ好きなのではなく、悔しい経験まで含めて競技そのものが自分の一部になっている。小川選手のバレーへの思いが伝わる言葉です。
出典:Number Web「『天才リベロが経験した2度目の落選』男子バレー小川智大が初めて明かす、“号泣の夜”の真相」(2024年10月10日)
「大丈夫、大丈夫だから」
大丈夫、大丈夫だから。
パリオリンピック代表から外れたことを告げられた際、フィリップ・ブラン監督に返した言葉です。
選考を伝えるブラン監督は、何度も小川選手へ謝罪しました。小川選手自身も涙を流していたにもかかわらず、逆に監督へ「大丈夫」と声をかけています。
もちろん本当に平気だったわけではありません。その後、一人になって感情を整理しています。だからこそ、悔しさの中でも相手を気遣ったこの短い言葉には、小川選手の人柄が表れています。
出典:Number Web「ブランの謝罪にたまらず退室…男子バレー“失意の天才リベロ”小川智大の目を覚ました“予想外の出来事”とは?」(2024年10月10日)
「耐え抜くことで、日本人は勝つしかない」
耐え抜くことで、日本人は勝つしかない。
2025年、世界のトップチームと日本がどう戦うかについてSportivaのインタビューで語った言葉です。
小川選手は、日本人選手は細かい技術に優れている一方、海外のトップには高さやパワーがあり、強烈な威圧感があると分析しています。しかし、強そうに見える相手でもミスは出る。そこで怯まず、我慢し続けることに日本の勝機があると考えています。
世界トップの攻撃を受け続けるリベロだからこそ見える、現実的な勝負論です。
出典:web Sportiva「小川智大が思う世界に勝つために必要なこと」(2025年9月11日)
「相手がこの瞬間に何を考えているのか、ずっと頭の中で考えるのが楽しい」
相手が「この瞬間に何を考えているのか」っていうのを、ずっと頭の中で考えるのが楽しいですね。
同じSportivaのインタビューで、バレーボールの面白さについて語った言葉です。
小川選手は、相手が以前どこへサーブを打ったか、自分の動きを相手がどう見たかなどを記憶し、次のプレーを予測します。そして読みが当たった瞬間に楽しさを感じると話しています。
派手な反射神経だけで拾っているのではなく、相手との駆け引きを積み重ねる。世界屈指のリベロのプレーを理解するうえでも重要な言葉です。
出典:web Sportiva「小川智大が思う世界に勝つために必要なこと」2ページ目(2025年9月11日)
「ディフェンスでは誰にも負けたくない」
ディフェンスでは誰にも負けたくないと思っている。
2025年、髙橋藍選手との対談で語った言葉です。
この発言は、髙橋選手のディフェンス力を高く評価する文脈で出たものです。小川選手は自分がリベロだからこそ「誰にも負けたくない」としながら、髙橋選手については中央後方での守備が「世界一」だと思うと率直に称賛しています。
自分の専門分野への強い自負と、優れた相手を素直に認める姿勢が同時に表れています。
出典:スポーツナビ「髙橋藍×小川智大が後半戦への意気込みを語る!」(2025年)
小川智大の座右の銘は「I never lose I either win or learn」
I never lose I either win or learn.
2026年のTBS「バレーボール ネーションズリーグ」選手紹介で、小川選手が「好きな言葉、座右の銘」として挙げている言葉です。
日本語にすると「私は負けない。勝つか、学ぶかだ」という趣旨になります。
これは小川選手自身が作った言葉ではありません。そのため「小川智大のオリジナル名言」としてではなく、本人が2026年に選んだ座右の銘として区別して紹介します。
パリ五輪落選後も代表へ戻り、ロサンゼルス五輪を目指して海外挑戦まで選んだ小川選手の歩みと重ねると、なぜこの言葉を選んでいるのかが伝わってきます。
出典:TBS「バレーボール ネーションズリーグ2026 男子日本代表 選手紹介」
2026年の小川智大の最新名言
2026年の小川選手は、男子日本代表の中心リベロとしてプレーしながら、2028年ロサンゼルスオリンピックを見据えて初の海外挑戦も決断しました。
7月にTBSが公開したロングインタビューには、現在の小川選手の競技観・メンタル・リベロ論を示す言葉が数多く残されています。
「胸を張って終われるキャリアにしたい」
胸を張って終われるキャリアにしたいんです。
東京、パリと2度のオリンピック代表落選を経験した小川選手が、これからの競技人生について語った言葉です。
代表から漏れたことだけで自分のキャリアを否定してしまえば、引退したときに後悔する。選ばれても選ばれなくても、自分が進んだ道そのものをキャリアにしたいと話しています。
失敗や落選を消すのではなく、それも自分の道として引き受ける。2026年の小川選手を象徴する言葉の一つです。
出典:TBS NEWS DIG「バレー男子日本代表・小川智大『頭のネジが1本ぶっ飛んでいないと』」(2026年7月3日)
「ここで頑張ればまた次どこかでチャンスが来る」
ここで頑張ればまた次どこかでチャンスが来る。
2度の五輪落選を経験しても競技を続ける理由について語った言葉です。
小川選手は「マイナスを考えるのが好きじゃない」と話します。パリに出られなかった事実は変えられません。それでも、そこで頑張ったことが次の機会につながる可能性は残されています。
実際に小川選手は2026年も日本代表でプレーし、さらにポーランドリーグへの挑戦を決めました。
出典:TBS NEWS DIG(2026年7月3日)
「成功につなげられれば、すべての道のりは成功に変わる」
成功につなげられれば、すべての道のりは成功に変わる。
パリ五輪代表から外れた後も、帯同メンバーとして現地へ行くことを選んだ理由について語った言葉です。
代表落選は望んでいた結果ではありません。しかし、その経験を次の成功につなげられれば、そこへ至る道のりにも意味が生まれると考えました。
失敗した出来事そのものを無理に成功と呼ぶのではなく、その後の行動によって過去の意味を変える。この考え方は、小川選手の座右の銘「勝つか、学ぶか」とも重なります。
出典:TBS NEWS DIG(2026年7月3日)
「世界相手でも、身体が小さくたってレシーブは完璧に通用する」
世界相手でも、身体が小さくたってレシーブは完璧に通用するんだ。
世界トップの選手と実際に戦って得た自信について語った言葉です。
海外のパワーバレーを相手にすると、日本人はフィジカルで負けると言われることがあります。しかし小川選手は、実際に世界のトップと対戦し、「パワー負けなんか全くしない」と実感しました。
相手のコースを読む力があれば、身体の大きさに関係なく世界トップの打球を拾える。それを自分自身のプレーで証明しているという強い自負が表れています。
出典:TBS NEWS DIG「判断のコールをするのがリベロ」(2026年7月3日)
「リベロに必要な能力は絶対的な“メンタルの強さ”と、圧倒的な“我慢強さ”」
リベロに必要な能力は絶対的な“メンタルの強さ”と、圧倒的な“我慢強さ”なんです。
小川選手が、自身のポジションに必要な能力を説明した言葉です。
アタッカーならミスの次に自ら得点して取り返すことができます。一方、リベロには自分で得点してミスを帳消しにする方法がありません。
だからこそ、失点の責任を感じても次のプレーへ瞬時に切り替える強さが必要になる。世界トップクラスのリベロが語る、説得力のあるメンタル論です。
出典:TBS NEWS DIG「頭のネジが1本ぶっ飛んでいないと」(2026年7月3日)
「口じゃなくて、“次の1本のディグの結果”だけで示す」
口じゃなくて、“次の1本のディグの結果”だけで示すもんだ。
リベロがチームメートから信頼を得る方法について語った発言の一節です。
ミスをした後にいくら「次は大丈夫」と言っても、信頼を取り戻せるとは限りません。次の厳しいボールを実際に拾い、プレーで示すことにこそ説得力があると小川選手は考えています。
スポーツに限らず、「失敗した後にどう信頼を取り戻すか」を考えさせる言葉です。
出典:TBS NEWS DIG「“次の1球”にすべてを懸ける」(2026年7月3日)
「次も思いっきり俺のところに打ってこいよ!」
次も思いっきり俺のところに打ってこいよ!
レシーブミスをした後、どのように気持ちを切り替えるのかを説明した際の言葉です。
小川選手はミスへの悔しさや怒りを引きずるのではなく、次の1本を拾うためのエネルギーへ変えるといいます。
失敗したから避けたいのではなく、「もう一度自分のところへ来い」と考える。その強気な切り替えが、トップレベルでリベロを続ける武器になっています。
出典:TBS NEWS DIG「“次の1球”にすべてを懸ける」(2026年7月3日)
小川智大の名言から見える4つの考え方
1.失敗した後の「次の1本」で自分を証明する
小川選手の言葉で最も特徴的なのが、ミスの後についての考え方です。
ミスを消すことはできません。しかし次の1本を拾うことはできる。だから過去のミスではなく、目の前のボールへ意識を向けます。
2.挫折は、その後の行動で意味を変えられる
東京、パリとオリンピック代表から外れても、小川選手は競技を続けています。
「成功につなげられれば、すべての道のりは成功に変わる」という言葉の通り、落選そのものではなく、その経験を次にどう使うかを重視しています。
3.身体の大きさより、読む力と技術を磨く
身長176cmの小川選手は、海外の大型選手と比べれば小柄です。しかし本人は、世界トップの球を実際に受けた経験から、レシーブは世界でも通用するという絶対的な自信を持っています。
相手を観察し、考え、コースを読み、正しい場所へ入る。自分の弱点だけを見るのではなく、自分の武器を世界で通用するレベルまで磨くという考え方です。
4.真剣に考えることそのものを楽しむ
小川選手にとってバレーボールの楽しさは、ただボールを拾うことだけではありません。
「相手がこの瞬間に何を考えているのか」を考え続け、自分の予測が当たることに楽しさを感じています。
真剣だから苦しいのではなく、真剣に考え抜くから面白くなる。小川選手の競技観を象徴しています。
小川智大は2026年、初の海外挑戦へ
小川智大選手は1996年7月4日生まれ、神奈川県出身。川崎市立橘高校、明治大学を経て、ウルフドッグス名古屋、ジェイテクトSTINGS愛知、サントリーサンバーズ大阪でプレーしてきました。
2021年から日本代表に選出され、Vリーグではベストリベロ賞を2021年、2022年、2023年に受賞。サーブレシーブ賞も複数回獲得しています。
2026年は男子日本代表としてVNLなどに出場。6月のポーランド戦後には、守備をコントロールできた手応えを語る一方、チームとしてピークをアジア選手権へ持っていく考えを明かしています。日本代表の2026年最大の目標の一つであるアジア男子選手権は、9月4日から13日まで北九州で開催されます。(2026年9月3日現在)
さらに2026-27シーズンからは、ポーランド1部のボクダンカ・LUK・ルブリンへ移籍。小川選手にとって初めての海外クラブ挑戦となります。TBSの取材では、世界トップの打球を日常的に受ける環境へ身を置くことを、ロサンゼルス2028を見据えた決断だと説明しています。
出典:JVA「2026年度男子日本代表」/JVA「世界ランキング1位のポーランドにフルセットの末勝利」/バレーボールキング「2026-27シーズン 男子日本代表の海外組」
まとめ|小川智大の名言は「次の1球」へ向かうための言葉
小川智大選手の言葉を追うと、単に「ポジティブでいる」という精神論ではなく、失敗や挫折を具体的にどう処理して次へ進むのかが見えてきます。
- バレーに対しては嘘をつかない
- 世界の強豪にも怯まず、我慢して勝機を待つ
- 相手が何を考えているかを考え続ける
- 落選も、その後の成功につなげれば意味を変えられる
- 身体が小さくても技術と読みで世界と戦える
- ミスした後は「次の1本」で信頼を取り戻す
- 悔しさや怒りさえ、次のプレーのエネルギーに変える
中でも「胸を張って終われるキャリアにしたい」と「次も思いっきり俺のところに打ってこいよ!」という2026年の二つの言葉には、小川選手の生き方がよく表れています。
失敗しないことを目指すのではなく、失敗しても次の1球へ向かう。その積み重ねが、小川智大選手を世界トップレベルのリベロへ押し上げてきたのかもしれません。
主な確認資料
- JVA「2026年度男子日本代表」
- JVA「男子日本代表 2026 チームスケジュール」
- JVA「世界ランキング1位のポーランドにフルセットの末勝利」
- TBS NEWS DIG「バレー男子日本代表・小川智大『頭のネジが1本ぶっ飛んでいないと』」
- TBS「バレーボール ネーションズリーグ2026 男子日本代表 選手紹介」
- Number Web「『天才リベロが経験した2度目の落選』小川智大が初めて明かす“号泣の夜”」
- Number Web「ブランの謝罪にたまらず退室…“失意の天才リベロ”小川智大」
- web Sportiva「小川智大が思う世界に勝つために必要なこと」
- スポーツナビ「髙橋藍×小川智大が後半戦への意気込みを語る!」
- バレーボールキング「2026-27シーズン 男子日本代表の海外組」
